2009年03月31日

役員からの借入が多い会社

会社の決算書は債務超過、借入金は銀行からの借入もあるが、役員からの借入も多い会社に対しては、次のような対応が考えられます。

1.そのまま
以前は債務超過の場合、金融機関からの追加融資は厳しい・・・、こともありましたが、あるとき払い返済の役員借入金は、資本とみなしましょう(金融検査マニュアルの事例1)ということもあり、今の状態が継続しても融資条件が大きく変わることはありません。
と書きながらも、一度融資先の金融機関担当者と相談してみてください。

2.税務上の繰越欠損金を利用する
税務上は過年度の赤字がある場合、翌年以降の黒字と相殺した上で、それでもプラスなら法人税等を支払うことになります(ただし使える過年度の赤字は7年前まで分)。したがって過年度の赤字が3000万円、役員借入金が2500万円の場合、役員からの債務免除を受け(債務免除益、特別利益)れば、債務超過の状態は2500万円改善し、役員借入金もゼロ、法人税等の支払いはなし、となり決算書のミバはよくなります。
議事録等書類は整えておきましょう。

3.税務上の繰越欠損金は期限切れの場合
①会社に土地や建物といった不動産がある場合、役員に適正価格で買い取ってもら(買い取り資金はないので、実際には役員借入金と相殺する)えば、役員借入金は減少します。
役員に不動産が移転するので、法務局へ不動産の移転の登記が必要ですし、役員には不動産取得税、固定資産税の支払いが生じます。
②借入金を資本化することも可能ですが、現在は借入金を時価評価したうえで資本に振り替えるようになったので、通常、ある時払いの借入金の時価は帳簿上の借入額より低くなります。
差額は収入(税務上の益金)になるので、法人税等の支払いが発生する可能性が高くなります。
①、②ともに書類を整備し、「士業」の人によく相談してから実行しましょう。

4.気合を入れて業績改善
借りたものは返すのが基本的な考えです。
本業のどこかに問題があるので、赤字体質から抜け出せないで、借入に頼ってしまいます。
本業でしっかり稼ぐ力をつけ、借入金を返していける力をつければ、借入金はおのずと減少していきます。


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Posted by 飯野 修 at 09:02│Comments(0)税金
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